2011年1月8日 星期六

阪神大震災から16年…復興区画整理、3月までに完了へ

写真:震災直後の新長田駅北地区。がれきにふさがれた道を人や車が縫うように進んでいた=1995年1月23日、神戸市長田区神楽町6丁目震災直後の新長田駅北地区。がれきにふさがれた道を人や車が縫うように進んでいた=1995年1月23日、神戸市長田区神楽町6丁目

図:  拡大  

 阪神大震災の被災地で進められてきた震災復興土地区画整理事業が、今年度内に全て終わる見通しになった。事業費は合計4012億円で、当初見込みより 693億円増えた。阪神甲子園球場66個分に相当する、5市18地区、総面積253.9ヘクタールでの街づくりは、16年の歳月を経て完了する。

 同事業は、1995年1月17日の震災で甚大な被害を受けた地区の宅地や道路を整え、広い道路や公園をつくって災害に強い市街地をかたちづくるもの。対象地区はいずれも兵庫県内で、神戸市11、芦屋市3、西宮市2、尼崎市1、淡路市1の計18地区。

 うち17地区は2009年までに完了。最後に残った、最も面積の大きい新長田駅北地区(神戸市長田区、須磨区の計59.6ヘクタール)も3月までに完了する見通しになった。

 国と兵庫県、地元5市などが負担する事業費は、当初計画では計3319億円だったが、最終的に21%増の4012億円に膨らんだ。新長田駅北地区では、対象面積の拡大や、更地にする費用がかさむなどして664億円から56%増の1034億円になった。

 区画整理の都市計画決定までには3年前後かかることが多いが、18地区のうち17地区は、無秩序な再建を防ぐ目的などから、震災2カ月後の95年3月に都市計画決定した。

 道路や公園を造るために、住民が宅地の一部を無償提供したり別の土地と交換したりする「換地」の必要がある。削られた土地の割合(減歩率)の平均は神戸市内各地区で2.5~9%。最も高かったのは尼崎市の築地地区(13.7ヘクタール)で10.69%だった。

 住環境が良くなったり土地が削られたりして区画整理前後で所有地の価値が増減した場合、所有者が清算金を払ったり受けたりして調整する。芦屋市の芦屋中 央地区では、価値が上昇した373人から平均約121万円を徴収し、下落した336人に平均約135万円を交付する換地処分が02年に公告された。ただ、 一括で支払えないケースなどもあり、徴収・交付手続きはいまも続いている。(佐藤卓史)



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