甲子園に台湾人観光客が急増…映画の大ヒットで
夏の全国高校野球大会が開催されている甲子園球場(兵庫県西宮市)に台湾からの観光客が急増している。
戦前、日本統治下の台湾から夏の甲子園に初出場し、準優勝した学校の快進撃を描いた映画の大ヒットが影響したとみられ、ツアーを組む現地の旅行会社も相次いでいる。
台湾映画「KANO」は、台湾が日本に統治されていた1931年夏、同大会の前身・全国中等学校優勝野球大会に出場した嘉義農林学校野球部の実話を基にした作品。日本人、漢族、先住民族の球児が一丸となってプレーし、決勝まで勝ち進むストーリーで、タイトルは同校の略称「嘉農」に由来する。今年2月に台湾で公開され、大ヒットした。
甲子園球場に併設する甲子園歴史館によると、台湾からの団体客は昨年1年間で数団体だったが、今年は夏の甲子園開幕を控えた7月から急増。同月末までに50団体以上、個人を含め約2500人が訪れ、10月末までに約30団体から予約が入っている。
明石海峡大橋や「あべのハルカス」(大阪市)、京都などに甲子園球場を組み入れた約1週間のツアーが人気で、主催する旅行会社は4月頃の2~3社が現在は10社程度まで増えたという。
21日には、台北市にある鳳凰国際旅行社の団体客約20人が同歴史館を訪れ、嘉農野球部ユニホームのレプリカや当時のエース・呉明捷投手の銅像を見学。その後、球児たちの熱戦を外野席から観戦した。
台南市の教師李珮さん(45)は「KANOで日本の高校野球と台湾との歴史を知り、甲子園を訪れたくなった。球児たちのひたむきなプレーに感動した」と興奮気味に話した。
2014年08月23日 22時44分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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