軍歌マニア垂涎!? 台湾・世界初の軍歌博物館を訪問
昨年12月、台湾に世界初の軍歌博物館がオープンした。渡航前にその情報を得ていた取材班は、一路台湾を南へ向かった。
そのミュージアム「軍歌館」があるのは屏東市。台湾高速鉄道で2時間あまりの高雄を経て、さらにローカル線で40分ほどの旅路である。
日本のものと似ている新幹線(高速鉄道)と違い、屏東線は昭和的なローカル色が溢れている。これもまた鉄道旅行を愛する人にはたまらない、味わいのあるものである。その旅路を経てたどり着いた屏東駅の駅舎も、昭和風のローカル色が溢れる。
本サイトにもたびたび登場してくれている、日本における軍歌研究の第一人者である文筆家の辻田真佐憲さんは、オープンしてわずか10日後の昨年12月24日に、さっそく訪問してきたという猛者。そんな辻田さんのアドバイスに従い、タクシーに乗って5分ほどで軍歌館の前に到着。ただ、所在地を聞いた時に「台湾の軍歌のミュージアムですからね」と言われていたので、どんなものかとドキドキ……。
この軍歌館のある一帯は、日本統治時代の軍人官舎の残る地域。そして、軍歌館もその官舎の一つを利用した建物だ。そのためか、靴を脱いで入ると入場は無料だという。英語を話せる受付の人に聞いてみると、「もう日本人は60人ほど来たよ」と言うではないか! 観光客が間違ってきたのか、それとも軍歌マニアがこぞって押しかけたのか……謎だ!
現在、軍歌館では、通常展示と「台湾軍歌発展史 熱血燃焼的音符」という特別展(5月末まで)の二つの展示が見られる。
本館はiPadで自由に音楽を聴くことができ、軍歌マニアにはたまらない施設だ。言葉がわからないので、何を歌ってるかよくわからないが、なんだか心が躍る! おまけに実際に手にとって読める軍歌集は「反共歌曲」だとか、ものものしいタイトルで、心が踊るではあるまいか! 軍歌を使った音ゲーのようなゲームコーナーもあり、大人から子供まで楽しめそうな施設である。
ただ、残念なことに、せっかく軍歌を多数聞くことができるのに販売物はない。うーん、ここでCDなんかを売っていれば「右から左まで全部ください!」と、財布の紐を解き放つのだが、残念!さて、軍歌館の周囲には、軍事テーマレストランという妙な店もあった。しかし、大半の店はレトロな家屋を生かしたオシャレカフェになっている。中には工事をしている家屋もあって、ここは次第にレトロなオシャレスポットへと発展しているみたい。2月下旬から高雄市の市立美術館で草間彌生展を開催するそうで、あちこちに黄色いカボチャのポスターがあったり、妙にオシャレサブカルが浸透しているさまも目についた。台湾にはオタク文化だけでなく、サブカルも勃興している様子が体感できる旅路であった。
と、軍歌館を探訪し、帰国まで残りわずかなところで取材班は見つけてしまった! 台北へ戻る新幹線が発車する新左営駅に隣接する新光三越(デパート)の売り場。中華民国の国旗である「青天白日旗」の傘を見つけた取材班が近づいた一角には、とんでもないものが売られていた。それは……愛国心を高揚させる中華民国グッズである。それも孫文のグッズとかじゃない。蒋介石と宋美齢夫妻の人形とか、バッジにカバンに雑貨類などなど、愛国グッズがわんさかと販売されていたのである。それだけなら、単なるお土産屋なのだが、そこには新聞記事をコピーしたパネルが張り出されていた。
「熱愛國旗的女孩国旗達人楊玉梅」(めちゃくちゃ国旗が好きな女主人・楊玉梅)
なんだ! このマニア店舗は! しかも、店主本人のやる気に満ち溢れたスナップ写真まで貼ってあるし。しかし、売り場にこの楊女史の姿はない。よく見るとここは出店で、店舗は別の場所にあるようだ。しかし、取材班には、そこまで向かう時間は残されていなかった。店舗のサイト(http://blog.xuite.net/ensigngirls/twblog)を見て、涙を飲みながら高雄を後にする(それでも買えるだけ買ったら、オマケで蒋介石と蒋経国親子のバッヂをくれました)。これは、再び取材にこなくてはならないだろう……再見! 台湾!
(取材・文/台湾特別取材班)
(取材・文/台湾特別取材班)
屏軍歌館啟用
作者: 【記者毛麗貞/屏東報導】 | 台灣新生報 – 2014年12月15日 上午12:00
全台第一個以軍歌為主題特色的軍歌館,昨(十四)日揭牌啟用,館內展列民國卅八至八十八年間不同時期的軍歌史料、文物,也藉由軍歌編創家們的創作背景與經典歌譜,以及互動式的多媒體影音,完整呈現台灣軍歌發展史,讓老一輩憶往熱血沸騰的軍旅歲月,年輕世代認識眷村軍歌文化。
位於青島街的「軍歌館」,由副縣長鍾佳濱、軍歌編創家鄧鎮湘、李文堂等人共同揭牌。規劃特展區、互動遊戲區、文創展示區、多媒體影音,透過軍歌編創家口述訪談、資料蒐集及與軍方的合作,以動、靜態展列,呈現軍歌發展軌跡及傳唱的文化價值。
鍾佳濱表示,軍歌傳達了靈魂深處永遠的記憶,該館除保留象徵不同時代背景的軍歌內涵,也讓大家認識軍歌的多樣面貌。文化處長徐芬春說,連續五年將軍歌比賽列為眷村文化節活動之一,吸引年輕族群參與,希望藉由珍貴的史料展覽,為軍歌文化留下文本紀錄。
八十六歲的鄧鎮湘老師說,「老兵聽軍歌,有另一種情懷」。隨部隊來台的他,在政工幹校學音樂,創作軍歌逾卅首,尤以勇士進行曲、頂天立地廣為傳唱,也創作淨化歌曲,包括風靡多年的「把握人生的方向」,朗朗上口的知名卡通歌曲北海小英雄、小天使等,也都出自其手。
出生屏東東港的李文堂,軍旅生涯廿八年,致力於軍中的音樂教育與推廣,其所創作的「豪情」等軍歌,在軍中大受歡迎,軍歌館內大半資料都是由他提供。
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