弘法大師・空海が真言密教の道場として高野山を開いて今年で1200年目となるのを記念する大法会(だいほうえ)が2日、和歌山県高野町の高野山上で始まった。5月21日までの50日間、高野山真言宗の信者らのほか、他宗派の僧らも大勢参加して祝賀の儀式を営む。
 高野山の聖地の一つ、壇上伽藍(だんじょうがらん)では午前6時、朝日が差し始める中を中西啓宝(けいほう)管長(81)ら約50人が参列し、地主神の神社に捧げ物の御幣(ごへい)を納めて期間中の無事を願った。壇上伽藍には、空海が道場の適地を求めて留学中の中国・唐から投げた密教法具の「飛行(ひぎょう)三鈷杵(さんこしょ)」がひっかかったという伝説がある「三鈷の松」がある。午前9時すぎには、高野山真言宗の総本山・金剛峯寺から僧侶約400人が出発。空海が永遠の瞑想(めいそう)についたとされる奥の院で約1千年燃え続けていると伝わる灯明「聖燈(しょうとう)」や、1年かけて全国を巡った三鈷杵などを携え、壇上伽藍へと練り歩いた。
 焼失から172年ぶりに再建された伽藍中門(ちゅうもん)では落慶法会もあり、整列した僧侶や参拝客の前で、中西管長が清めの儀式「洒水加持(しゃすいかじ)」を行ったあと、大相撲白鵬日馬富士の横綱2人が順番に四股を踏んで土固めし、門が二度と失われないよう祈った。その後、僧侶ら一行は中門をくぐり、最初の法会を壇上伽藍の金堂で営んだ。午後には奥の院でも法会がある。